ぐでぺんLIFE

歯列矯正とか旅行の思い出とか日々のお役立ちとか、いろいろ書いてます。

温かさと涙もろさ

マスクを手放せない生活が始まって約1年が経った。元々たくさん出歩く方ではなかったが、かといって在宅勤務になるわけでもなくで、仕事、通勤、読書、ネット…以前とそう大して変わらない生活をそれなりに楽しく送っていた。世間はこんな状況だけれど、今の生活もそう悪くない。外出自粛で人と会えなくても辛いと思わなかった。元々子供の頃からいじりの対象となってしまい、嫌な思いをするくらいなら人付き合いなんか要らないと、希薄な人間関係しか築いてこなかった。だから会いたい友人はいかなったし、頼ったり甘えたりできる相手もいない。困ったことがあっても私に頼られたら迷惑だろうなとと思ってしまう。ふと横を見て、当たり前のように他人に頼り甘えてそしてそれを受け入れてもらえるのを見て羨ましさを感じている。無いものねだりをしても仕方ないので、大抵のことは自力でどうにかしようもするし、なんとかなってしまう。とりあえず自分のことができて良かった、強くなったなと思う。

ただ確実に弱くなった部分もある。涙腺だ。とても涙脆くなってしまった。20代の頃なら絶対に泣かない場面で、涙がこぼれるようになった。愛や優しさ、人が人を思う気持ち、そういう類のものにとても弱くなった。社会人になってからは周りの人に恵まれて、慣れないながらもようやく人の優しさを受け取れるようになった。「社会は厳しいから」と親は厳しく育てたつもりらしいが、就職してからは社会の方が優しかった。職場はとても居心地が良かった。それがたとえマナーとしての優しさなのだとしても、とても嬉しかった。

人事異動があり、仕事が忙しくて体を壊してしまったのを機に、スポーツジムに通い始めた。毎週レッスンに出て顔見知りになり、終わればまたねと手を振る。仕事帰りの時間帯は、それぞれが自立していてほど良い距離感でとても居心地が良い。合間のおしゃべりが楽しくて仲良くなった人もいる。人との交流の楽しさを仲の良くしているインストラクターさんの「異動で明日からお店変わるんです〜」の急な一言に驚き、すぐさま餞別のお菓子を買いに走り、連絡先を交換した。本当ならジムには週一で来てるから、もうちょっと早く知れたはずなのに。もう会えないかと思ったら涙が出てきて、会えなくなる前で本当によかった。緊急事態宣言が解除された後、彼女のお誕生日会を開いた。今度は会えたことが嬉しくてまた泣いた。

f:id:gudepen:20210405080147j:image

その後しばらくは外食を楽しんだり、Gotoトラベルを使って旅行したりと自分の楽しみを優先していた。去年は予定していた海外旅行がキャンセルになったり、楽しみにしていたライブビューイングが中止になったりした。貯金よりも楽しい経験プライスレスと方向転換してから間も無くのこの状況なので仕方ないと納得はしつつも、やはり悔しい。いざと言う時のためにと我慢して貯めてきたけれど、2020年の今が「いざと言う時」じゃない?と行ったことない所に行って、ちょっと気になったことをしてみて、身の回りを整えて、生活をアップデートしていった。

年が明けると、すぐに誕生日が来る。去年は旅行も中止になったし、せっかくなので…と誕生日にちょっと豪華な旅行を予定していたのに、緊急事態宣言で中止になってしまった。またか…と思いつつももう諦めモード。しかし年明けの名古屋には大きなイベントがある。アムールデュショコラを始めとするデパートのバレンタインチョコレートの催事。旅行が中止になったので、代わりに美味しいチョコレートに求めた。例年は仕事帰りに寄るぐらいで朝から並んだことはなかったけれど、今年は土日に並んでみたりもした。ほとんど使っていなかったTwitterでの情報交換のやりとりを通じて、素敵な出会いもあった。とても熱量のある強くて優しい方で、目的のためには労力を厭わない姿勢は私も見習いたい。今まで目を背けていた問題に向き合うきっかけをくれたりと、様々な面で良い影響を受けた。もう住む世界が違うけれどとても尊敬している。そんな方と出会いがあるのも、インターネットの醍醐味の一つだと思う。

バレンタインも終わった頃に、友人にとても嬉しいお誘いをいただいた。舞台ポーの一族を観ない?と声をかけていただき、とても嬉しかった。チケットは顔写真入りで限定のものだそうで、しかも事前にパンフレットまでいただいてしまった。開演までひたすら読んでしまった。原作は昔読んだことがある程度だったので、お誘いいただいてからすぐに本屋に向かって文庫本を買い予習した。ミュージカルゴシックだとどうなるのかなと思ったけれど、原作から飛び出てきたようで驚いたし、シーラ伯爵夫人の登場時のピュアなお姿から、医師夫妻を一族に加えようとする艶やかなお姿まで振り幅が広くて夢咲ねねさんの凄みを感じたし、愛のない世界が刺さってしまった。”人は愛がなくては生きてはいけない"求めて焦がれても手に入らない、虚しさ寂しさのようなもの、痛いほどわかってまた涙出た。あまりに強烈に印象に残っていて、帰ってパンフレットを読み込んで、宝塚版を見てまた泣いた。

f:id:gudepen:20210406003201j:image

作品を見て泣くなんて、以前は想像もできなかった。何を見ても自分と切り離れた世界での出来事でどこか冷めた視点でしか見れなかった。けれども優しくて温かい素敵な方たちとの交流のおかげで、その世界と足元とは地続きなのだと学べた。温かい方との素敵な出会いに感謝している。

このご時世の外出の自粛要請で以前よりもイベントが減り、人との交流が減った。そんな中でも、もう少し自分から歩み寄ってもいいのだと人の優しさ温かさを学んだ。この状況が収まればまた出会いや交流もあるだろう。人と人との交流や出会いからでしか得られないことがある。そういうものを改めて大切にしたい思っている。